私は最後まで自分のデスクを会社内で持ちませんでした。 この商売には経理以外にあまりデスクはいりません。 何といっても「現場第一」です。 それが成功するためのコツです。
ですから、私はなるべくどこかの店にいるようにしておりました。 「お客さんに対してそそうはないか」 「空いた食器をすぐ下げているかどうか」 「お客さんがどんな事について批判されているのだろうか」 「どんな品物が残って戻されてくるか」などなど、どんな些細な事にも、いつも目をこらしておりました。
現場を大切にして仕事をしてきた私は商売成功のための六つの条件を「実践のための指針」としてきました。 ・どこよりも美味しいものを出す ・どこよりも安く売る ・お待たせしないで早く出す ・心のこもったサービスをする ・店内を居心地よくしておく ・すべてのものを清潔にしておく この六つを実行しておればどんな大不況がきても必ず店に行列ができるのです。 むずかしい理屈は何もいらないと思います。
「本日開店のこころ」 願わくばいつでも「本日開店」の気持ちであってほしい。 誰しも開店の当日は最高に店をきれいにするでしょう。 お客様に対して百パーセント愛想よく接するでしょう。 そして提供する商品の味にも万全の力を注ぐでしょう。
これからも私たちは、毎日毎日が「本日開店」の心構えで 力一杯張り切ってお客様をお迎えしております。
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